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 日曜日は、ドキュ研メンバーのMさんと渋谷のシアターイメージフォーラムで待ち合わせして、『紫』を観てきた。日曜日の11時からの上映にしては客の入りは少なめだったけど、吉岡さんファンのおばさまたちや美術か染色を専攻していると思われる学生たちの姿もあった。

 吉岡幸雄。染色の本などを求めて本屋をさがしていると必ず目につく名前である。しかし、実際に彼の映像を見たのは今回が初めてだった。夏あたりにBSの「エコの作法」という番組には娘さんが出演されていて、ご本人はお出にならなかった。

 彼の信条は、染色のいにしえの知恵を尊び、天然の植物を用いて染色をするということ。そして、映画の中の「何色が好きか」との問いに、彼は染色するのに難しく、妖艶な色でもある「紫」と答える。

 染色の様子を映像で見られること自体、貴重な機会かもしれない。染色の手順すべてをみることは出来ないが、彼が原料である植物にもこだわり、実際に職人が布を染める様子は見ることができる。

 植物から染めた布というとなんとなく、くすんだ茶色・緑・くすんだ赤などの色を想像するかもしれないが、彼が染める絹の糸や布の色はとても鮮やかで、美しい。染色に興味がある方にはおすすめの映画だ。
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 今月1本目のドキュメンタリー映画は、『よみがえりのレシピ』

 秋田が故郷の私にとって、隣の県である山形が、在来作物を守る取り組みをしているのが、なんともうらやましく思った。秋田県民は、新しいもの好きで、古いものにあまり価値を見いださないような気がするから。違うかなぁ?秋田出身者が、この映画観たらどう思うべなぁ?

 私自身にしても、パーマカルチャーなどで農作物のことを考えるようになるまで、自家採種の黒豆の枝豆が嫌だった。父が種を買わないで毎年種採りした黒豆を植えていたので、貧乏くさいなぁーって思っていたから。

 でも、以前埼玉県小川町で、大豆を植えて収穫して食べる取り組みに参加した際に、地大豆の存在を知り、その地域に伝わる固有の種の存在の大切さに気づいた。

 思えば、父が植えていた黒豆の枝豆は、さやがたくさんの産毛のような毛で覆われていて、一般的に目にする枝豆のさやと違っていた。「なんて毛深いさやの枝豆なんだろう」と思った記憶がある。父が亡くなった今、あの種はたぶん絶えてしまったのだろう。母に確認してみるけどね。

 映画の中では、在来作物を守ってきた農家の人々が、その作物のことを語る時の生き生きした表情がいい。そして、山形大学の江頭先生やアル・ケッチァーノの奥田シェフが、在来作物を育てはぐくんできた農家の人々に寄り添い、共に在来作物を守っていこうとする歩みを応援したくなる映画だった。
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 この映画を見たことを母に電話で話して、父が植えていた黒豆のことを話したら「まだあるよ」との答え。種は守られていました。この黒豆の枝豆が好きな父と従兄弟のおじさんはこの枝豆を毎年たのしみにしているとのことでした。自家採種って、大事なんだね。
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